「失敗する可能性があるなら、それは起こる。」
ちょっと冷たく聞こえるかもしれないこの言葉。
これは、“マーフィーの法則”と呼ばれる有名な法則のひとつ。
もともとはアメリカ空軍のエンジニアが残したひと言だと言われているけれど、今では日常のあらゆる「あるあるネガティブ現象」を説明する法則として親しまれている。
たとえばこんな感じ——
- 「メールを送った直後に誤字に気づく」
- 「傘を忘れた日に限って土砂降り」
- 「早起きした日は予定がキャンセルになる」
なぜか、「うまくいかなさそうなこと」って、現実になる気がする。
でも実はこれ、単なる偶然じゃなくて——
**私たちの“思考のくせ”**が、そう思わせているだけかもしれない。
1. “マーフィー脳”がビジネスを重たくする?
マイクロ法人や個人事業主にとって、ビジネスは“自分の在り方”がすべてに反映される世界。
だからこそ、「またうまくいかないかも…」という小さな予感が、じわじわと大きな行動ブレーキになったりする。
たとえば:
- 新しいサービスを出したいのに、「どうせ反応ないかも」で止まってしまう
- SNS投稿ひとつに、「この言い回しで炎上したら…」と手が止まる
- クライアントに値上げを伝えるとき、「断られるかもしれない」と引っ込める
「まだ起きてもいない不安」に、自分の今を支配されてしまう。
それが“マーフィー脳”の正体かもしれない。
2. 「うまくいかない前提」を持っていると、そうなる
脳は、自分が信じた通りの現実を探しに行く。
これは“確証バイアス”と呼ばれる心理のはたらき。
「どうせダメだろう」と思って動くと、“ダメだった”という証拠ばかりを集めてしまう。
逆に、「どうなるかは分からないけど、やってみよう」と動けた人は、失敗も「学び」に変えて前に進める。
つまり、マーフィーの法則って実は——
「信じたことが現実になる」の裏バージョンなのかもしれない。
3. マーフィーに支配されない人がしていること
じゃあどうすればいいのか?
マーフィーの支配から抜ける鍵は、「事実と予測を分けること」。
たとえばこんな問いかけを、自分にしてみるといい:
- 「今、本当に“問題が起きた”のか? それとも“起きるかも”と思ってるだけ?」
- 「この不安、誰かの顔や過去の失敗と結びついてない?」
- 「“最悪のケース”が起きたとして、自分ならどう対処するだろう?」
“現実”と“妄想”を区別できるようになることが、思考の自由を取り戻す第一歩。
4. クライアントにもある、「うまくいかないストーリー」
コーチングの現場でも、クライアントが“未来の失敗”に縛られて動けなくなっていることはよくある。
そんなときは、こう伝える。
「その不安、今この場で“証拠”ってありますか?」
「仮にその通りになったとして、“それでも進みたい気持ち”ってありますか?」
未来はまだ起きていない。
その中に、まだ見えていない“うまくいく可能性”だって、きっとある。
5. 「マーフィーの法則」を笑い飛ばす日常を持とう
マーフィーの法則は、皮肉なようでいて、実は“心の余白”をくれる知恵でもある。
- 傘を忘れた日に雨が降ったら、「はいはい、来たね」と笑ってみる
- 失敗したら、「これは“うまくいかない方法”を1個見つけたってこと」と思う
- ネガティブな予測が頭に浮かんだら、「それ、マーフィーのせいにしておこう」と軽く受け流す
重く抱えないこと。ユーモアを持って向き合うこと。
それだけで、行動の一歩はずっと軽くなる。
まとめ
「失敗する可能性があるなら、それは起こる」
この言葉を、ただの皮肉で終わらせるか、
“思考の偏り”に気づくチャンスに変えるかは、自分次第。
マイクロ法人・個人事業主として動いていくには、予測不能な未来に、どれだけ“軽さ”と“柔軟さ”を持っていられるかが勝負。
だからこそ、コーチングでは「現実」と「思い込み」を丁寧に分けていく。
そして、“行動を止めている小さな不安”に名前をつけて、手放す手伝いをしていきたい。
今日の問い:
あなたが「うまくいかないかも」と思って止まっていることは何ですか?
その予測は、“マーフィー”の仕業かもしれませんよ^^

