コーチングは、ただ知識を提供するだけの仕事じゃない。どれだけ素晴らしいアドバイスをしても、クライアントが心を開いていなければ響かないし、行動にもつながらない。
そこで使えるのが、ロバート・チャルディーニの名著『影響力の武器』に登場する「好意の原則」。
人は、自分に好意を持ってくれる人や共通点がある人、褒めてくれる人の影響を受けやすい。この心理をコーチングに応用すれば、クライアントとの信頼関係が深まり、サポートの効果がぐっと上がる。
今回は、好意の原則をどう活用すればコーチングがより成功するのか、具体例を交えて紹介していこう!
1. 共通点を見つけて親近感を育てる
人は、自分と似た部分があると、自然と親近感を持つもの。だから、クライアントとの共通点を探して関係を深めよう。
具体例:
- クライアントが「最近〇〇って本を読んでて…」と言ったら、「え、私も読んだよ!」と共感を示す。
- 出身地や趣味の話を聞いて、「実は私も〇〇が好きなんだよね」と盛り上がる。
- クライアントの悩みに対して、「実は私も昔、同じことで悩んでたんだよね」と自分の経験を共有する。
こういう共通点があると、クライアントは「この人なら分かってくれる!」と安心する。
2. クライアントの頑張りをしっかり褒める
褒められると誰だって嬉しいし、自信がつく。だから、クライアントの成長を積極的に認め、伝えていこう。
具体例:
- 「前回のセッションからすごく成長してるね!」
- 「その考え方、めちゃくちゃ素晴らしいよ!」
- 「なかなかできないことに挑戦してるの、本当にすごい!」
ただし、お世辞っぽくならないように、具体的な行動や変化をちゃんと見て伝えるのが大事。
3. 感謝を伝えることで信頼を強化
「ありがとう」と言われると、人はもっと頑張ろうと思うもの。クライアントに対しても、感謝の気持ちを伝えることで関係がより強くなる。
具体例:
- セッションの最後に「今日も貴重な時間をありがとう!」
- クライアントがフィードバックをくれたら、「すごく参考になる!ありがとう!」
- メールやメッセージで、「あなたと一緒に成長できるのが楽しい!」と伝える。
こうした感謝の言葉が、コーチングの信頼関係を深める。
4. クライアントの話を真剣に受け止める
コーチングでは、ただ話を聞くだけじゃなく、「ちゃんと受け止めてもらえている」とクライアントが感じることが重要。
具体例:
- クライアントが話しているときに、「なるほど、それは大変だったね」と共感を示す。
- 重要なポイントを繰り返して、「つまり、〇〇ってことかな?」と確認する。
- クライアントの感情に寄り添い、「その気持ち、すごく分かるよ」と伝える。
しっかり受け止めてもらえると、クライアントも安心して話せるし、より深い気づきが生まれやすくなる。
5. クライアントの成功を一緒に喜ぶ
クライアントが目標を達成したら、一緒に喜ぶことも大切。成功を実感すると、次のステップに向かうモチベーションがぐっと上がる。
具体例:
- 「ついに達成したね!本当に素晴らしい!」と感情を込めて伝える。
- セッション中に「この成長、すごいね!私もめちゃくちゃ嬉しい!」と共感する。
- クライアントの成果を、許可を得てSNSなどでシェアして、お祝いする。
成功を一緒に分かち合うことで、「このコーチは本当に私の味方だ」と感じてもらえる。
まとめ
好意の原則を活用すれば、クライアントとの関係が深まり、より効果的なコーチングができる。
✔ 共通点を見つける → 親近感を持ってもらう。 ✔ クライアントを積極的に褒める → 自信を持たせる。 ✔ 感謝の気持ちを伝える → 信頼関係を強化する。 ✔ クライアントの話をしっかり受け止める → 安心感を与える。 ✔ 成功を一緒に喜ぶ → 達成感を高め、次の行動につなげる。
この方法を意識すれば、クライアントとの信頼関係がどんどん深まり、コーチングの成果も大きくなる。
ぜひ、今日から実践してみよう!

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